秋冬に外せないファッションアイテム「ニット」。
ふわふわとした手触りで保温性が高い毛糸で編まれたニットは、秋冬は特に重宝しますが、お手入れの仕方で悩んだり購入を躊躇した経験がある人も多いかもしれませんね。
この記事では、ニットに使われる様々な素材の特徴や、seven dotが提案する着心地とお手入れの良さを両立したニットアイテムについても紹介します。
ニットは「動物繊維」「植物繊維」「化学繊維」の3種類がある
ニットとは、1本の糸でループを作りながら編んだ生地や衣類のこと。
ニット素材を使ったアイテムには、セーターやカーディガン、帽子や手袋、スカートやパンツなど多岐にわたります。
使用する糸の素材も様々な種類があり、編み方によってしっかり目が詰まったものから、ふわふわと軽やかなものと様々で、肌触りや見た目、保温性も異なります。
ニット素材は大きく分けて、以下の3種類に分類されます。
- 暖かさに優れたウールなどの天然繊維「動物繊維」
- 肌触りの良いコットンなどの天然繊維「植物繊維」
- 自然由来の繊維にはない強みを持ったアクリルなど、人工的に作られた「化学繊維」
保温・保湿に優れ、型崩れしにくい“ウール”
ウールは動物繊維の一種で羊毛のことを指し、代表的な品種としてオーストラリアやニュージーランド、フランスのメリノ種を使った羊毛(メリノウール)があります。
メリット
‐保温性が高いにも関わらず、内部の熱を保温して湿気を逃がしてくれるので蒸れにくく、外部からの水分を弾く性質があることから吸湿性に優れている
-伸縮性・弾力性に富み、シワになりづらく、型崩れしにくい
デメリット
–肌触りがチクチクしやすい
-繊維と繊維の間が空いていることから、他の繊維に比べて絡みやすく、毛玉ができやすい
-縮みやすいので、水洗いに不向き
※手入れを誤ると、フェルト化によって硬くなり縮んでしまう
※フェルト化:ウールが濡れた状態で揉まれると、繊維同士が絡み合い、目が詰まってしまい生地が縮んだり固くなってしまうこと
保温・保湿に優れるが、デリケートな“カシミヤ”
カシミヤとは、主に中国やモンゴル、イランなど寒暑の厳しい山岳地帯に住むカシミヤ山羊(ヤギ)から採れる毛のことで、動物繊維の中でも希少価値も高い、高級感のある素材として知られています。
メリット
– 他の動物繊維に比べても繊維が細く長く、複雑に絡み合い、繊維の間に多くの隙間を作るため、空気を含みやすく、保温性が高い
– 湿潤性がとても高く、繊維が光を屈折させずに反射するため、美しい光沢感が魅力
– 細く軽いため、重たさを感じづらい
デメリット
– 毛が短いため、撚り合わせた繊維の端が飛び出て毛羽立ちやすく、毛玉になりやすい
– 水に濡れると、繊維の表面からの光の反射が変化し、水シミになりやすい
美しい光沢が特徴的な“モヘヤ”
モヘヤは、トルコのアンゴラ(アンカラ)地方を原産とするアンゴラヤギから採れる毛で、原産地はトルコ、アメリカ、南アフリカなどで、そのうち50%ほどが南アフリカ産だと言われています。
メリット
– 毛足が長く、しなやかで、絹のようなツヤが織りなす美しい光沢があり、高級感のある着こなしにも向いている。
– ウールと異なり、繊維の表面が滑らかで、肌触りが良い。
– 起毛した繊維にはウールよりも多くの空気を含み、ウールよりも高い保温力がある。
– ウールよりも、軽やかで吸湿性も高く蒸れにくい。
デメリット
– 毛足が長く、抜けやすいため、静電気が起きやすい。
– 動物が身を守るために生えている「刺し毛」と呼ばれる弾力性・耐久性のある毛がふくまれているため、人によっては肌に触れるとチクチクした感触が気になることも。
– 毛玉になりやすい。
※連日着る場合などは、毛並みが乱れることで毛玉の原因に
続けて着ることは避け、繊維を休ませるためにも風通しの良い所で陰干ししてあげましょう。
● MEMO
ちなみにモヘヤにも似た“アンゴラ”は、アンゴラウサギから採れる毛のこと。
近年、アンゴラウサギが劣悪な環境で飼育されているという情報が発信され、以降は大手ファッションブランドの多くがアンゴラの使用を取りやめたと言われています。
保温性が高く扱いやすいが、静電気が起きやすい“アクリル”
化学繊維の中でも、もっともウールに近い風合いを持っているのがアクリルです。
メリット
– 保温性も高く、肌触りも良い
– 洗濯しても縮みにくく、型崩れしにくい
– 糸が空気をたくさん抱き込むように加工されており、ふっくらと柔らかい
– シワになりにくく、虫食いにも強い
デメリット
– 静電気が起こりやすく、毛玉ができやすい
– 吸水性・吸湿性が低く、汗をかくとベタつきやすい
着心地が良く、お手入れもしやすい“アルパカ”
アルパカは南米原産のラクダ科の動物で、標高3,000メートルを超えるようなアンデス山脈の高地で主に放牧されています。
昼夜の寒暖差が35℃以上もあるような厳しい環境の中、地域の人々はアルパカの持つ「上質で、機能性が高く防寒性に優れた毛」を用いて、衣類を作ってきたそうです。
また同じ動物繊維の中でもアルパカが希少な素材であると言われる理由として、その生産量の少なさが関係していると言われています。
カシミアの生産量が5,000トン、アンゴラが8,500トン、モヘアが22,000トンであるのに対し、アルパカの生産量はわずか4,000トンしかなく、非常に希少な素材であることが分かります。
希少な天然繊維「アルパカ」
-軽くて暖かいのに、蒸れにくい
繊維がストローのように空洞になっており、空気を抱き込む性質があることから、とても軽く保温性が高いことが大きな特徴
– 滑らかで柔らかい
繊維が細ければ細いほど、滑らかな肌触りになり、チクチク感もなくなる
– 耐久性が高い
厳しい環境を生き抜くため、ウールやカシミヤなどの他の動物繊維よりも耐久性にも優れ、水にも強い
スケール(うろこ)が少なく、直毛なため、毛玉にもなりにくい
毛が抜けにくい
-環境に優しいエコ素材
アルパカの蹄は柔らかいため、放牧の際に草の根を傷つけにくく、また加工の際に必要とする水も少ないため、環境にも優しい
アルパカは、ウールやカシミヤ、モヘヤと比べても保温性や耐久性、お手入れのしやすさに加え、着心地の良さも兼ね備えた貴重な素材であると言えるでしょう。
seven dotの自信作“アルパカ素材のカーディガン”
2024年のseven dot AWコレクションの中からオススメしたいニット素材アイテムは、アルパカを使用したカーディガンです。
Shaggy Cardigan – BROWN、GRAY
ふんわり女性らしいシルエットが印象的な、アルパカ59%混のカーディガンは、軽くて肌に吸い付くような柔らかさが特徴です。
アクリルやウールのように、ごわっとした着心地もなく、程よく体にフィットするため、シルエットも美しく着膨れしづらいのも、ポイントです。
-袖口に、短いスリット付きでアクセント
‐seven dot得意のニットにサイドポケットあり
– ホックで着脱しやすく
-合成繊維も混ぜることによって、自然な風合いを残しながらも扱いやすく
– 水にも強く、おうちで手洗いできます
肌に触れてもチクチクしづらい着心地は、春先など薄手のアイテムと組み合わせても使いやすいので、長いシーズンに渡ってお使いいただけます。
ふわふわニット、気になる素材は見つかりましたか?
ふわふわニットと言っても、素材によって扱いやすさや肌触りも大きく異なり、使いたいシーンによっても素材選びは重要になるでしょう。
長く愛用したいアイテムは、保温性や毛玉のなりにくさ、耐久性、扱いやすさなどを重視して選ぶのも良いかもしれません。
ご自分に合ったお気に入りの1枚と出会うための参考にしてみてくださいね。